「憂国のモリアーティ」10巻、ついに発売されましたね!
そこで今回は、「憂国のモリアーティ」10巻のネタバレと考察や、本巻の魅力をご紹介していきます!
●「憂国のモリアーティ」10巻前話のあらすじ
「憂国のモリアーティ」10巻には「ロンドンの騎士」第2幕~4幕が収録されています。
ですので、ここで簡単に前話「ロンドンの騎士」第1幕を紹介しておきましょう。
ロンドンの騎士第1幕、おさらい
今、注目の若手議員・ホワイトリー。
彼は全市民を平等に扱うべきだと議会で提案。
もちろん市民からは絶大な支持を受けているようですが、そのことをよく思わない人間も出てきます。
それが貴族院たちの人々。
また、ジャック・ザ・リッパー事件をつぶされたミルヴァートン。
そしてミルヴァートンに過去の秘密を知られてしまったモリアーティは互いに今後つぶさなければいけない敵と設定するのでした。
そして、ミルヴァートンへの忖度もあり、高級紙であるハイム社の新聞はホワイトリーについて批判的な記事を書くのです。
ある日、ホワイトリーの命を狙った人物が逮捕されるものの、牢屋で遺体となって発見されます。
そして犯人は警察の内部にいるのではないかと考えるホワイトリーは、捜査員はこちらで選ばせてほしいと申し出るのでした。
そのことがモリアーティ兄弟にも伝えられ、しばらくホワイトリーの動向を見守ることになりました。
●ホワイトリーの孤独
ホワイトリーの人間性を試すため、貴族院をおとしめる証拠をそろえたモリアーティ。
また、ホワイトリー家では弟のサムがホワイトリーや自分たちにも何か害を被らないかと心配します。
しかし、ホワイトリーは心配しなくていいとサムを安心させるのでした。
そして、ホワイトリーは公園の完成セレモニーに参加すべく出かけます。
そこには、ホワイトリーの平等法案に反対している議員たちも大勢来ていました。
もちろん、彼らはホワイトリーに批判めいた言葉を投げつけるのです。
その言葉を聞いた市民たちも、とりあえずホワイトリーの意見を聞こうとします。
ホワイトリーは挨拶の際、議員たちが言ったことに対し、弁明もせず、真実だと言います。
その言葉に怒り、幻滅する市民たち。
そして、セレモニー終了後、モリアーティの兄・アルバートはホワイトリーに証拠を渡しに現れるのでした。
●ミルヴァートンの策略
地下鉄の工事現場で1人の警官が殺害されます。
彼はホワイトリーを殺そうとした犯人を殺害した人物でもあったのです。
そして、ホワイトリーにもそのことは告げられ、今まで以上に身辺警備の強化を提案されますが、ホワイトリーは「現状維持で構わない」と拒否するのでした。
そして、モリアーティからもらった証拠を手に貴族院との取引に出かけるのでした。
貴族院の代理として現れたのはミルヴァートン。
自身の要求を伝え、原本のありかや、写しがどれくらいあるのか分からない以上、要求をのまざるを得ないと考えるホワイトリー。
でしたが、ミルヴァートンには効き目がないようです。
というのも、ミルヴァートンにはその証拠を使い物にならないようにする方法があったからです。
それは、ホワイトリー一家を殺害し、その犯人をホワイトリー自身に殺させること。
ホワイトリーが殺人犯になれば、その証拠の効力は皆無になると考えたのでした。
そして、ミルヴァートンの計画通り、ホワイトリーは犯人を殺してしまうのです。
●犯罪卿、民衆の前へ
人を殺したホワイトリーは墓地にアルバートたちを呼び出します。
それは、アルバートからもらった貴族院の証拠を返却するためでした。
そして、このまま自分が捕まれば、平等の実現もなくなってしまうから自首することはできないと言います。
しかし、このまま何の罰も受けず、生きていくこともできない。
何とかこの命で罪を償いたいと訴えるのでした。
それに手を差し伸べたのがウィリアム。
翌日、国会議事堂に何事もなかったかのように現れたホワイトリー。
しかし、彼は中に入ろうとした途端、何者かに刺されてしまうのでした。
ホワイトリーを刺した人物は国会議事堂の上へとのぼり、「ホワイトリーの家族たちを殺害したのもこの私、犯罪卿だ。」と民衆の前で断言するのでした。
そう、ホワイトリーを刺したのは…?
そして、犯人は街中へと逃亡していきます。
そうすることによって、ホワイトリーは救世主のまま死ぬことができるというのが、犯人の考えでした。
平等な国にするため、自ら悪となるモリアーティが創る世界をこの目で見たかったと思いつつも、ホワイトリーの意識は遠ざかっていくのです。
●狂喜のミルヴァートンとホームズの推理
ミルヴァートンの策略通りとはいかなかったもののミルヴァートンは「面白い展開だ。」と狂喜するのでした。
一方、市民はホワイトリーを殺した犯罪卿に敵意をあらわにするのです。
そして、ホームズもまた、一連の事件を新聞で知ることとなるのでした。
犯罪卿は義賊だと考える彼は、ホワイトリーについて推理するのでした。
その内容はまるで見聞きしてきたかのように合致しています。
そしてまた、ホームズの兄・マイクロソフトは、政府から暗殺されることになるだろうから、ホームズが犯罪卿を捕まえるのに残された時間は少ないと言うのです。
それに対して「必ず犯罪卿は自分が捕まえる」と決意するホームズ。
●「憂国のモリアーティ」10巻の見どころ!
この作品全体に言えることですが、本作は是非、漫画で確認してもらいたい作品の1つです。
たとえば、
・犯罪卿が民衆の前に登場するシーン
いかにもといった感じでカッコいいです。
・ホワイトリーやミルヴァートンの表情
ホワイトリーのファミリーが殺害され、悲しみ、怒りに震えるホワイトリーの表情やミルヴァートンの狂喜の表情など…
是非、絵で確認してもらいたいところです。
●「憂国のモリアーティ」10巻の感想と、次回巻の予想
相変わらず驚き、カッコよさが含まれている作品だと思います。
また、原作のシャーロックホームズシリーズに基づいているところもこの作品の魅力ですね。
1つの事件は大体4話程度にまとめられているのも読みやすく、分かりやすいです。
そのうえで、あっと驚かされる展開や登場人物の賢さなどに毎回ワクワクしちゃいます。
さて、今巻では、犯罪卿が民衆の前に姿を現します。
それによって、市民はもちろん、政府からも命を狙われることとなりそうな展開となりました。
また、マイクロソフトが言うようにホームズが犯罪卿を捕まえるのにも時間が限られてきているようです。
しかも、マイクロソフトは犯罪卿の正体を聞かされても大して驚きませんでした。
そのうえ、ホームズに「死ぬなよ。」と言うのですよね。
何か意味深な言葉です。
ホームズも知らない何かを知っているのでしょうか。
ホームズとモリアーティの対決がどのようなものになるのか今から楽しみです。
そろそろ物語も終盤にさしかかってくるのでしょうか。
今まで以上に物語が展開していきそうで次巻以降も楽しみです。
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